第16回公演「PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて〜」観劇後、わたしが感じた「知る」ということ。

こんにちは、32kiです。

旅行ブログかと思って開いたら、公演?なんのこっちゃ?って方きっといますよね。今回は旅行のことではなく、趣味でもある舞台観劇、そして大好きなTEAM NACSの舞台への積もりに積もった気持ちを吐露します。(笑)

さて、ということで先日2月3日に初日の幕が開いた、TEAM NACS 第16回公演『PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて〜』を観劇してきました。

折角なのでほんのちょっと説明させてください。


TEAM NACSは、北海学園大学演劇研究会出身の五人(森崎博之・安田顕・戸次重幸・大泉洋・音尾琢真)による演劇ユニット。彼らは現在三年に一度一同に介しチームとして舞台を創り上げています、今回の公演は第16回公演。待ちに待ったTEAM NACSの三年振りの本公演。

第16回公演「PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて〜」

1945年8月15日。
この日、日本は無条件降伏を受け入れた。

しかしその後。
突如としてソ連軍の大部隊が、
武装解除した孤島に攻め入ってきた!

気持ちをもう一度奮い立たせ、
再び銃を持つ兵士たち。

彼らが立ち上がらなければ、
北海道は二分されていたかも知れない。

日本最後の戦いの司令部があった「幌筵島」。
私たちはまだ、その島の名前さえ知らない。

原案・演出:森崎博之

脚本:林 民夫

出演:TEAM NACS
森崎博之 安田顕 戸次重幸 大泉洋 音尾琢真

小此木まり 荒居清香 伊藤駿九郎 梅田喬 黒岩司 佐藤亮太 津田幹土 新田健太
原田新平 廣瀬真平 古川ヒロシ 松尾英太郎 三木秀甫 森下ひさえ 山中雄輔


テーマは終戦後の北の大地で実際にあった、守るための戦いのお話。

涙を流しながらの初めて見たNACSの舞台、重いテーマであり考えることも思うこともたくさんあって、その気持ちを抱えながら先日二度目の観劇をしてきました。

メンバーが雑誌やインタビューで言っているように、今回の舞台は「今までのNACSの公演とは少し違う」、まさにその通りだな、と。今までの公演は映像でしか見たことがないけれど、観終えた後はまず初めに面白かったなあ、という気持ちが多くを占めていました。ただ今回に関しては、面白かった、楽しかった、感動した、というありきたりな言葉が続いた後に思わず口ごもってしまうような、胃がキュッとするような想いに駆られたんです。色んな想いで頭がいっぱいになる。

頭がぐるぐるして想いがまとまらなかったけれど、二度目の観劇後に少しだけ自分の中で思うことがまとまったので、今これをつらつらと書いています。

さて、これ以降は一部ネタバレを含むため、観劇はこれからだよ、という方はバック推奨です…!!ですが、公演についての感想というよりも公演を通じて感じた自分の想いなので、誰々がどうで、と言ったことは基本的に書いていません。役名すら出していません、ただしまだ公演をみていない場合は真っさらな状態で見て欲しいのでこれ以上先には進まないことを推奨します、、、><

さらに注意ですが、これはあくまでもわたしが感じたことであり解釈の仕方は様々です。偏った見方もあるかもしれませんが、そういう捉え方もあるよな、って優しーく見てください。


まず初めに、わたしは自国である日本の戦争について、高校生の教科書に載っているものにすら満たないレベルの知識しかありません(恥ずかしいことなんだけれども)当然終戦後、北の果てで様々なことが起こっていたことは知りませんでしたし、今回の舞台である幌筵島や占守島についてほぼ何の情報を持たない状態で観劇に臨みました。

まっさらな状態、それでも全く問題なく楽しむことができた。それは舞台中にその島のことが事細かに語られるからではなく、知らなくても一つのストーリーとして理解して一つの物語として楽しむことができるから。

しかし「このテーマはただのフィクションではなく僅か数十年前に実際にあった史実を交えた内容なのである」、とハッと頭をよぎりそれを確かに理解した時、やっとこの公演の意味を自分なりに飲み込むことができました。このテーマは彼らだからこそ作り上げることのできる舞台であること、そして彼等がやる意義の意味を実感できたんです。

TEAM NACSの面々は、北海道で生まれ育ち、偶然大学という同じ地で出会いチームを結成する。共に各々の道を歩みながら俳優やタレントとしての仕事をこなし、今現在全員大切な家族を持つ、そして北海道だけでなく東京の最前線で戦友として歩んでいる。ここまでは彼等のこと。

そして劇中の彼等は、運命的に北海道の更に北にある島に集い、偶然にも戦車というある種の本拠地にあたる場所で邂逅し、それぞれ守りたい家族とその土地を離れ戦争に向かい、後に戦友となる。

ひとつの舞台の設定として自分の中でどうしても呑み込めなくなる。困った、リンクしてしまうじゃないか。彼らには劇中と同じ歳の子供たちがいる。この舞台を観劇している半数以上はそのことを知っているんじゃないでしょうか。ああもうなんで、って最中に胸が締め付けられる思いでいっぱいになった。

この話は、実体験ではないけれど、決してフィクションではない。

僅か数十年前に実際にこのような境遇にあった人達がいた。
終戦を知らされ、やっと故郷へ帰ることができると思った兵士たちが訳もわからないまま理不尽にもまた戦いの地に引き戻される、想像する事は出来ても、それ以上の事は出来ない。けれどそんな世界を私たちの大好きなよく知っているチームナックスの面々が演じることで、よりリアルに、そして身近に感じることができる。この五人だからこそ実現し得た、これ以上ないほどの説得力のある舞台だと感じた。なんて運命的なんだろうとすら思いました。

五人が語らうシーンでは、最期までともに「生きたい」という言葉ではなく、「また酒を飲んで語らおう」「ハーモニカや歌、芝居で巡業がしたい」「いつかそんな日が来ればいい」という掛け合いで話は進む。(台詞は曖昧です、このようなニュアンスだったかな)

その願いが年月を重ねて今現在その未来がある。
劇中の彼らから「そんな時代が来るはずないだろ」という台詞が出てきてしまうそんな時代。しかし今娯楽として、そして働く術としてそれらが存在している。その事実が今まさにここにあるということに涙がこぼれた。彼らの願いがいまここに叶っている。戦時中を生きていた人間もこんな風に日々を過ごしていたんだろうと想像を巡らせてしまうようなこの空気感と説得力、この五人にしか表現できない舞台であると、すとんとそんな気持ちが心の中に落ちてきました。好きであればあるほどたまらない気持ちになります…。

戦争という重圧且つデリケートとも言えるテーマを手掛けた脚本家である林さんと、エンターテイメント性に富んだ迫力のあるステージを創り上げる演出を担当した森崎リーダー。
よりメッセージ性のある深いものをひしひしと感じました。語られてこなかった島がある、その島を守り抜いた人たちがいたから今がある、その事実と過去と未来を今こういう形で私たちに優しくも厳しく私たちに教えてくれた、
今を生きるものたちへのなんて力強いメッセージなんだろうって。

手榴弾を握りしめて「守るために戦うんだ」と決意を固めた五人の各々の清々しくも切ない表情が忘れられません。


「知ること」が必ずしも必要なことではないけれど、「知ること」で得るものは当然多い。知らなくてもいい、ただその背景には様々な決して語られることのない事実がたくさん転がっている。

『その島の名前を、まだ誰も知らない』

わたしは公演が始まる前からこのフレーズにグッときて、ホームページのあらすじを読み返すたびに、どうしてだろう不思議なくらいすごく惹かれるなあとドキドキしていました。

公演後の今改めて思うのは、この「まだ」というワードが、観劇後の観客への想像や思考に対してあえて余白を残したものだということ、そして未来へ繋がるものなのかなって。あ、これは完全にわたしの想像と希望です。笑

この舞台を観た私たちは、『その島の名前も、語られてこなかった歴史も、もう知っている』んですねえ。

今回語られてこなかったものが、このような形で受け継がれた。
かといって自分がこの事実をたくさんの人に伝えなければ、なんてそんな大層なことはわたしは思えないけれど、知っていることでいつの日かこの話をどこかの誰かにすることがきっとある。この舞台を観劇して、この事実を「知っていること」と「忘れないこと」が大切なことなんだとわたしは思いました。大好きな北海道、このことを知らずに過ごしていたときよりも、「知ること」ができた今、間違いなく幸せを感じています。今ではもっと知りたい、そう思っています。
そして、「語られてこなかった」のではなくて、私たち自身が「知ろうとしなかった」という事実をしっかりと受け止めたいなって。

脚本家である林民生さんは「伝える価値がある。意味がある。」と、そしてメンバーは「知ってしまった以上、このことを知ってほしいという思いもあって。人の思いは伝わるって」と。

受け手によって思いは違えど、様々な形で多くの人になにかが伝わっている。そう強く思えます。

そしてね、また別の話になってしまうんだけど、「知らないままじゃ勿体ない、それでいいのか?」って自分に問いかけました。
わたしは知りたい、と、そう思うんです。こういうことって普段の生活にも散らばっている。旅をして色んな土地を訪れようと考えているわたしにはずしっとくるものがあって。これを書きながら振り返ることで、折角その土地を訪れるのならば、その国の背景を知った上で行きたいなと改めて思わせてもらえたなあ、と嬉しい気持ちでいっぱいです。

「その国の背景を調べなさい。そうすることで全く知らない世界が見える」

そう言われたことをふと思い出しました。以前の私よりも、この舞台を観劇したあとの私の方が、この言葉を素直に、大切に、受け止めることができています。あの舞台の空間をこの目で見て、味わって、わたしが受け取ったものは、「家族」「この何気無い普段の生活の奇跡」そして「知るということ」。在り来りな言葉だけれど、これらをもっともっと大切にしていきたいなって。

うまくまとまらないけど、がりがりと感じていたことを書けてちょっとすっきり。

だらだらと思うことを書いたけれど、まだ公演は終わってないんですよね!舞台はまだまだ続きます!千秋楽である4月1日まで怪我なく(舞台装置を見て物理的に心の底からそう思いました…)、一人も欠ける事なく駆け抜けてくださいと願うばかりです。まだこの後も観劇予定はあるので、楽しみで仕方ありません。この舞台を最後まで見て、たくさんのものを貰うんだ、そして惜しみない拍手をたっくさん送るんだ!


さてさてさて、ここまで読んでくれた方、本当にありがとうございます。

この記事を読んで、少しでも気になったなっていう方に朗報です。今現在舞台のチケットは完売となっていますが来る千秋楽日である4月1日、なんと全都道府県でライブビューイングが行われるんです!すごい!

そして一般発売はこれからです。

有料会員以外の一般抽選は2月22日〜3月4日まで、一般販売は3月17日〜3月30日までの予定となっており、どちらもローチケでの販売となるので是非共テェックしてみてください!どの会場も当日券の販売も行っているのでこちらも要チェックです。

歴史を知る、というわけではないけれど、北海道という土地と自分自身やたくさんの人々をいまよりも愛していきたいなと思うことができる、そんな作品です。舞台は生物ではあるけれど、それをリアルタイムで様々なカメラとアングルで見ることができるのはライブ。ビューイングならではの特権ですよ〜わたしは幸運にも会場に行くことができますが映画館で映像も見たいなと欲張りになってしまうくらいオススメです。

詳しくはこちらからチェックしてみてください◎

第16回公演「PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて〜」 ライブ・ビューイング

そして、これをどこかから見つけて読んでくださったそこの子NACSさん、是非お話ししたいので連絡ください:)笑

(2.19)

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